みなさんは大阪・関西万博の公式キャラクター、ミャクミャクをご存知でしょうか?
赤い部分の細胞と青い部分の清い水で構成された、なんともふしぎな生き物なのですが、この姿を見てあるエロゲのキャラクターを思い浮かべたのは……私だけではないはずと思いたいです。
『沙耶の唄』は交通事故の後遺症で悪夢に囚われる郁紀と、謎の少女である沙耶との愛の物語を描いています。
狂気の世界で育まれる一線を越えた二人の愛、その先には何が待ち受けているのか。
過激的で刺激に満ちたニトロプラスの意欲作、『沙耶の唄』をネタバレなしでガッツリご紹介します!
それは、世界を侵す恋。
ニトロプラスの許可の上で著作物を転載しております。これらは他への転載を禁じます。

タイトル情報 / 評価

タイトル | 沙耶の唄 |
ブランド | NitroPlus |
公式ジャンル | サスペンスホラーADV |
発売日 | 2003年12月26日 |
『沙耶の唄』公式サイト
本作は修正パッチはありません。
おすすめ度 | 4.0点/5点 (おすすめ!) |
こんな方におすすめ! | ・一風変わったエロゲをプレイしたい方 ・ホラー系のエロゲを求めている方 ・コンパクトにまとまった物語を楽しみたい方 ・虚淵玄氏の作品が好きな方 ・有名作品を押さえておきたい方 |
簡易評価 | 【魅力/長所】 ・狂気と愛の描写に秀でている ・複数視点の一面的でないシナリオ ・山場でしっかり盛り上げるCG 【欠点/短所】 ・グロテスクな描写が人を選ぶ |
概要
『沙耶の唄』(以下、本作)は、NitroPlus2から2003年12月に発売されたエロゲです。
本作は交通事故の後遺症で「世界が醜くグロテスクに見えてしまう」ようになってしまった主人公の“匂坂郁紀”が、なぜか正常に認知できる少女“沙耶”と心を通わせていく物語。


本作はかなり有名なのでご存知の方も多いと思いますが、エロよりもグロとホラーの要素が強烈な作品です。
前述したように、主人公の郁紀は認知障害のせいで、周りのほぼ全てが肉の塊のような醜悪な光景に見えてしまいます。
なので、カフェで友人が話しかけてきているだけの日常の一幕が、「グロテスクな怪物がノイズ交じりの聞き取れない言語で話しかけてくる」という恐ろしいシーンへと様変わりするのです。
以下の画像を左にスライドで郁紀視点となります。
スライド先、閲覧注意!
そんな醜い世界に絶望していた郁紀が、唯一希望を抱いていた存在。それがヒロインの沙耶です。

- なぜ沙耶だけが美しい少女の姿に見えるのか
- 郁紀と沙耶の恋愛の行く末はどうなるのか
- そもそも沙耶は何者なのか
本作は主に上記の点が見所となっていますね。
そんな本作のコメント(X、エロゲー批評空間より抜粋)を見てみると、

愛する人と幸せに暮らしたかった普通ではない二人の物語



このゲームの世界はこのゲームでしか味わえない



純愛とホラーの結晶
と、非常に高評価です。
また、2023年12月にはニトロプラス所属のCGチーム「ニトロアーツ」から新PVが公開されました。
20年前に発売された作品の新PVが公開されるのはなかなか衝撃で、今なお根強い人気を誇っていることが窺えますね。
なぜ『沙耶の唄』は高く評価されているのか? その理由となる魅力を3つ、具体的に述べていきます。
魅力


狂気に満ちた世界での二人の愛
本作は郁紀と沙耶の恋愛が描かれるわけですが、これが本当に心にくるんですよね。
「この世でたった一人の理解者」という感じで、二人の出会いには運命的なものを感じずにはいられませんでした。


ただ、二人にとっての正常は、周囲の人間から見れば異常そのものであり。
安息を与えられない二人が向かう結末はどれも考えさせられるものでしたが、それでもお互いを想う気持ちは本物だったと言えます。純粋なる愛の形を見ることができましたね。
好き合うことが必然といえる特殊な関係性、恋心の重さ、慈しむ純粋な気持ち。
美しく儚い恋愛は文学的な情緒すら覚えるほど、読み手の心を揺さぶるものだったと思います。
多角的に描かれるシナリオ
本作のシナリオは主人公以外の視点でも描かれます。
「大学サークルの友人3人・女医・隣家の主人」などバリエーションに富んでいるので、飽きないんですよね。
特に女医の凉子は意外な役どころの人物となっていたので、読んでいて面白かったです。


あと、友人の耕司の視点もかなり重要なんですよ。


耕司は狂ってしまった(ように見える)郁紀を助けたい一心で色々と行動を起こすのですが、郁紀からすれば沙耶との生活を邪魔されたくないので、誰にも干渉してほしくないわけです。
このどうしようもないすれ違いの描写がお見事でしたね。
郁紀の抱える事情は特殊すぎるので、ありのまま話せるわけがないという彼の心境は理解できるし、本音を話してくれない郁紀に釈然としない耕司の気持ちもわかる。お互い悪くないんですよ。なのに、どうしても上手くいかない。
人間関係の難しさを、様々な人物の視点を通じて表現している。そんな本作のシナリオは大変秀逸だったと思います。
出し惜しみしないCGと粋な演出
本作は物語の盛り上がるシーンで次々とCGが披露されます。
ロープライス作品なのでリソースは限られているはずですが、それを感じさせないような贅沢な作りとなっているんですよ。
特に友人の瑶が沙耶に接近するシーンは、不気味な静けさも相まって、かなり緊張感漂う場面でした。


没入感を高める演出が素晴らしかったですね。
この辺りはドキドキしながら、モニターにかじりついてプレイしてしまいましたよw
以上が本作の魅力でした。
- 狂気に満ちた世界での二人の愛
- 多角的に描かれるシナリオ
- 山場を盛り上げるCGと演出
欠点
かなり評価の高い本作ではありますが、1つ欠点があります。
グロテスクな描写が人を選ぶ
欠点というよりも注意点という感じですが、本作は作風ゆえにグロテスクな描写が常にまとわりついてくるので、ぶっちゃけ人を選びます。
一応設定でぼかしたり暗くしたりできるのでそこは助かりますが、それでも苦手な方は結構キツイかもしれませんね。
その上でホラー要素もあるものですから……いろんな意味で刺激的な作品と言えます。
まあグロに関しては私もあまり得意ではなかったのでところどころキツいシーンもありましたが、それでも本作はプレイする価値があると断言できます。
それだけで敬遠してしまうのは本当にもったいないので、気になる方はぜひ勇気を出してプレイしてみてください!
エッチシーン
本作のエッチシーンはあまり使えません。
尺が短い上にシーン数も多くないので、エロに力を入れていないのは明白。あまり期待しない方がいいでしょう。
お気に入りフェラシーン
なぜ、いきなりお気に入りのフェラシーンを紹介するのか。その理由は一つしかありません。
私はフェラが好きだからです!
なので、私のブログではこの項目は必ず設置されます。よろしくお願いします。
沙耶のご奉仕フェラ


こんなに可愛くて小さなお口にち〇ぽを咥えさせるなんて……なんとも背徳的でたまりませんね!
しかも「郁紀のは、一滴だって残さずに欲しい」と迫ってくるのですよ。身体は小さいくせに独占欲は大きいという。ほんとそういうの——
私は大好きなのでやめてください!!!
Q&Aコーナー



ニトロプラスの作品で、本作からプレイするのはアリかな?
アリです。
グロテスクな描写こそ人を選びますが、ニトロプラスさんの攻めた作風を知るにはある意味うってつけかと。
価格もDL版は2,530円で安価ですし、ボリュームも10時間以内に完走できるコンパクトな仕上がりで手に取りやすいです。
公式も「ニトロプラスの入門作」と大々的にプッシュしているので、ここから入るのも良いと思いますね(ただし、グロにはご注意を)。



推奨攻略順1とかある? 沙耶以外を攻略することなんて……ないよね?
ありません(こわい)。
選択肢は2回ほど表示されますが、それは好みで選択して大丈夫です。
ちなみにエンドは3種類あるので、全て見ることを推奨します。



関連作品は何があるの?
続編などの直接的なものはないですが、「小説・格ゲー・AIアプリ」などがあります。
小説
星海社さんから2018年に小説版『沙耶の唄』が発売されています。
わりと原作に忠実な小説化ということで、評価は高いですね。
ちなみに続きが出ると言われているみたいですが、そちらは音沙汰がない模様……w
格ゲー
『ニトロ+ロワイヤル -ヒロインズデュエル-』にプレイヤーキャラとして沙耶が出演しています。
その実質的な続編となる『ニトロプラスブラスターズ -ヒロインズ インフィニット デュエル-』にも、プレイヤーキャラとして沙耶が出演。
AIアプリ
2023年に沙耶と会話できるAIアプリ、『沙耶の唄 AIアプリ』が株式会社プロケットからリリースされました。
同年12月にサービスは終了しましたが、リリース直後はアクセス過多でまともにプレイできない状態になったほど。沙耶の人気ぶりが窺えますね。
余談ですが、私が最初に投稿した「エロゲニュースの記事」でも取り上げさせていただきました。
その他、何か気になることやご質問などあれば、お気軽にコメントどうぞ!
総評
『沙耶の唄』は、「主人公と沙耶の二人の愛・多角的に描かれるシナリオ・山場で豊富に披露されるCG」などが魅力のエロゲです。
10時間以内に終わる本作は発売当時「短すぎる」と批判されることもありましたが、娯楽コンテンツの溢れる令和においては、短いというのはむしろ長所と言えます。
これはつまり、どういうことかというと——
『沙耶の唄』は今こそ、プレイするべきということ。やらせたいだけだろ


おすすめ度(詳細評価)
沙耶の唄 | |
---|---|
万人向け(30%) | グロ要素が人を選ぶ(2/5) |
プレイ時間(15%) | 10時間ほど。適正なボリューム(4/5) |
令和の価値観(15%) | ファンタジーなので該当なし(3/5) |
システム(20%) | この時代の作品としては良好(4/5) |
私がおすすめしたいか(20%) | エロゲーマーの教養として(4.5/5) |
総合 4.0/5 |


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以下の記事は「エロゲ初心者の方」におすすめです。


以下の記事にエロゲのセール情報もまとめています。こちらもぜひチェックしてくださいませ。


コメント
コメント一覧 (2件)
>伺えます
ニュアンス的に「窺えます」では?
えますさん、コメントありがとうございます。
仰る通りですね。誤字を修正いたしました。
ご報告ありがとうございます。
これからも当サイトをどうぞよろしくお願いいたします。