国が一夜にして侵略者に蹂躙され、自由も誇りも奪われてしまったらあなたはどうしますか?
想像するだけでゾワっとしてしまいますよね。
『千の刃濤、桃花染の皇姫』は愛する国と人を奪われてしまった宮国朱璃が、忠義と愛を尽くして奮闘する切なくて熱い物語です。
AUGUSTがぶちかました忠義と愛のADV、『千桃』の魅力をネタバレなしでガッツリお届けします!
歴史の果てまで、貫く忠義。
『千の刃濤、桃花染の皇姫』ネタバレあり感想(姉妹サイトへ飛びます)
タイトル情報 / 評価
おすすめ度 | 5.0点/5点 (超おすすめ!) |
こんな方におすすめ! | ・テーマ性重視のシナリオゲーをプレイしたい方 ・和風の雰囲気が好きな方 ・演出の凝っている作品が好きな方 ・質の高い楽曲を楽しみたい方 |
簡易評価 | 【魅力/長所】 ・忠義を果たすべく、命をかける人物たち ・国家の存亡をかけた壮大で熱い物語 ・凝りに凝った演出 ・熱く盛り上げる楽曲群 【欠点/短所】 ・朱璃ルート以外の結末が微妙 ・学園要素に賛否あり |
概要
『千の刃濤、桃花染の皇姫』はAUGUST1から2016年9月に発売されたエロゲです。
公式略称は『千桃』ですね。
『千桃』はオリジナルの国である豊葦原瑞籬内皇国(通称:皇国)を舞台としており、
敵国であるオルブライト共和国に皇国を侵略されてしまう導入から始まります。
《皇国》

《共和国》

本作のストーリーは皇国の武人“鴇田宗仁”が皇家の生き残りである“宮国朱璃”の臣下となり、
オルブライト共和国に皇国を明け渡した逆臣“小此木”を討つことを目的としています。


- 朱璃は皇国を取り戻せるのか
- 戦前の記憶がない宗仁に隠された秘密とは
- 皇国と共和国の争いの果てに何が待ち受けているのか
本作は上記の点が主な見所となっています。
本作のネット上のコメント(X、エロゲー批評空間より抜粋)を見てみると、

忠義と愛の狭間で揺れる心情、その葛藤が切なく愛おしい



圧倒的な質の演出。美麗なCG。読むのが苦にならない丁寧なテキスト。まさにエロゲの三ツ星レストラン



エルザ・ヴァレンタインちゃんのシコリティが高いことが突出したゲーム
と、高評価であることがうかがえます。
なぜ『千桃』は高く評価されているのか? その理由となる魅力を3つ、具体的に述べていきます。
魅力


“忠義”をテーマに掲げた、壮大で熱いシナリオ
『千桃』はかなりシナリオに力が入っています。
本作は主人公、ヒロイン、サブキャラに至るまでが何かしらの忠義を抱いており、
忠義の下に全力でぶつかる戦いがめちゃくちゃ熱いのです。


私は特に「エルザの忠義」に大きく胸を打たれましたね。
彼女は共和国の人間ですが共和国と皇国のどちらにも染まらない独自の考えを持っており、
宗仁と深く関わっていくことで、その考えを彼女なりの「忠義」へと昇華させるわけですね。
エルザはその後に深刻な状況に直面するわけですが、彼女は自らの忠義に従って、大変に勇気ある行動を見せてくれるのです。
それがあまりにも格好よすぎました。
もう格好よすぎて全身が痺れてしまい、しばらく立ち上がることができなかったぐらいです。


そして後半の古杜音ルート以降は物語の性質が大きく変化し、驚きと期待が同時に襲ってきて超ワクワクしました。
ラストの朱璃ルートは例のごとく全てがネタバレになるのでほとんど語ることはできませんが、
個人的には「美しい結末だった」とだけ述べておきます。
忠義を胸に抱く人物たちの行動に目が離せなくなる、最高のシナリオでした。
凝りに凝った演出
『千桃』は演出が本当に素晴らしいです。
「最新の作品でもここまでできていない作品がほとんど」と言えるぐらい、本作の演出は凄まじいものでした。
特に私が気に入ったのは陵墓のシーンですね。下記の3枚の画像をご覧ください。






光の変化で時間の経過を見事に演出すると共に、宗仁と朱璃の関係性の変化をも描いているのです。
趣深い演出には思わずため息がもれました。芸術点が高くて、本当に素晴らしかったです。
また、画像だけでは本作の演出のすごさが伝わりづらいと思いましたので、動画も撮ってきました。
宗仁たちが共和国軍の攻撃から逃げる場面です。
アクション映画のようなダイナミックな演出が、山場を最大限まで盛り上げていて素晴らしかったですね。
作風に合致した雅な音楽
『千桃』は音楽も素晴らしいです。
皇国の和風の世界観に合致した音楽、その質が非常に高いのですよ。
私は特にEDの「月夜に舞う恋の花」が好きですね。
切ないメロディで儚さを表現した古風で雅な恋歌であり、何度も聴いた名曲です。
もちろんサントラも購入しましたとも!
未プレイの方はとりあえず以下のOPを見ていただきたいですね。
これだけでも『千桃』がどれだけ音楽に力を入れているかがわかります。
特に『花あかり』のOPは本当に最高ですね。
ムービーの完成度が異次元なので、これだけでもぜひ視聴してほしいです。
以上が本作の魅力でした。
- 忠義をテーマに掲げた熱いシナリオ
- 凝りに凝った演出
- 作風に合致した雅な音楽
未プレイの方には絶対にプレイしてほしいマストタイトルですね。
欠点
かなり評価の高い本作ではありますが、2つ欠点があります。
朱璃ルート以外の結末が微妙
本作は途中下車式のシナリオ構成となっているため、朱璃ルート以外の結末はかなりやっつけ感があります。
特に滸ルートなんて最後があまりにも雑すぎて、笑ってしまいましたからね。
朱璃ルートが正史で他は外伝ということなのでしょうが、もう少しなんとかしてほしかったというのが本音です。
過去作の『穢翼のユースティア』でも同様の欠点がありましたが、上手く改善できていなかったのは残念でした。
学園要素は賛否が分かれる
本作は宗仁たちが学園に通っているわけですが、
「学園生活の描写は物語の方向性や世界観にそぐわない」というユーザーの意見がそこそこ見られます。
- 共和国から皇国を一日でも早く取り戻す必要があるのに、暢気に学園に通っている場合ではない
- 敵である共和国の人間と学園生活を共にするのは緊張感に欠ける
- 世界観の統一の妨げになっている
上記のような趣旨ですね。
私としては一種の緩衝材のような役割を担っていて良いんじゃないかと思ったんですが、確かに若干浮いている要素であることは否めないところもあります。
ここをどう捉えるかは、本作の評価に影響してくるポイントと言えるでしょう。


以上が本作の欠点でした。
ただ、そんな欠点を吹き飛ばすほど、本作には心を掴む魅力が詰まっています。
私はエルザの生き様にガチで感動して、心が震えた瞬間は忘れられません。
エルザに会いたいなら、今すぐ『千桃』をプレイするしかないですよ!




エッチシーン
本作のエッチシーンはあまり使えないです。
本作をそういう目的でプレイする方は少ないとは思いますが、
シナリオ重視の作風なので、エッチシーンに期待するのはやめておきましょう。
一応、回数はヒロインごとに4回ずつあるのでそこは救いですね。
お気に入りフェラシーン
なぜ、いきなりお気に入りのフェラシーンを紹介するのか。その理由は一つしかありません。
私はフェラが好きだからです!
なので、私のブログではこの項目は必ず設置されます。よろしくお願いします。
奏海の野外フェラ


エッッッッッッッッッッ!!!
野外で服を着崩しまくってほぼ裸状態でお○んちんを咥えてくれる奏海、最高ですね。
奏海は服が露出高くてエロいですし身体も華奢なのがそそられますので、個人的には本作のエロ担当ヒロインです(
Q&Aコーナー
『千の刃濤、桃花染の皇姫』をプレイするにあたって、出てきそうなご質問にお答えします。



AUGUSTの作品で、本作から遊ぶのはありなの?
アリです。
本作は他のAUGUST作品との繋がりはありませんので、本作からで全く問題ありません。



『ユースティア』と『千桃』で迷っているのですが、どちらから開始すればよいのでしょう?
これは難しい問題です。
さすがに全体的な完成度で言えば『ユースティア』に軍配が上がりますが、
『千桃』の和風の雰囲気や音楽は本作ならではの要素であり、演出に関しては後に発売された『千桃』の方が格段に上と言えます。
なので、和風が好きで凝った演出を楽しみたい方には『千桃』を、
一貫したテーマとメッセージ性や、容赦のないシビアなシナリオを楽しみたい方には『ユースティア』をおすすめします。
それでも決めかねる方は先に発売された『ユースティア』からプレイするのが、個人的には良いかなと思います。
当サイトは『ユースティア』のレビューも投稿していますので、そちらも参考にしてみてください。





推奨攻略順はあるのかしら?
あります。
本作のシナリオは途中下車式の構成となっているため、前から順番に攻略していくことを推奨します。
以下に攻略の順番を掲載しておきます。一応隠しておきますので、見たい方だけボタン押下でご覧ください。
タップ、クリックで展開
推奨攻略順
「滸→奏海→エルザ→古杜音→朱璃」



関連作品は何がありますかー?
『千の刃濤、桃花染の皇姫 -花あかり-』があります。
本作のFDであり、ヒロインたちの後日談やその他のIFストーリーが描かれる作品です。



『花あかり』もやるべき?
本編を気に入ったならやるべきです。
各ヒロインの後日談は読み応えがありますし、一部のサブキャラのシナリオはなかなか力が入っているので、見所がありますよ。
私の大好きな桐谷華さんの演じるサブキャラがいるんですが、その子のシナリオは超良かったです。
なので、桐谷華さんをお好きの方は必須と言っておきましょう!(鼻息荒く)
その他、何か気になることやご質問などあれば何でもお気軽にご相談下さい。
コメントお待ちしております。
総評
『千の刃濤、桃花染の皇姫』は「忠義を抱く人物の生き様・レベルの高い演出・作風に合った音楽」などが魅力のエロゲです。
『千桃』は皇国の和風の世界観も素晴らしかったですね。
しっかりとした和風のエロゲって結構貴重なので、そういうのがお好きな方にはぜひプレイしてほしいです。
目と耳で楽しむビジュアルノベルとしてトップクラスであり、極めて高い水準で完成された作品。
心からプレイして良かったと思えた傑作でしたね。


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「どのエロゲをプレイするか迷っている方」におすすめです。


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- 千の刃濤、桃花染の皇姫(本記事)
- 穢翼のユースティア
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