2023年2月24日。実に8年の歳月をかけて待望の続編が発売されました。
「サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-」は、
「サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-」の続編です。
8年越しの続編でありサクラノ詩の完結作となる本作は、
果たしてファンを満足させるデキとなっているのでしょうか……?
サクラノ刻の魅力をネタバレなしでご紹介していきます。
※本作の魅力や欠点を述べる上では前作の内容にある程度触れざるを得ないので、
前作に関しては若干のネタバレを含みます。
具体的な記述はできるだけ避けていますが、その点だけご了承ください。
刻は流れて――そしていつか詩となる。
「サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-」のネタバレあり感想はこちらのサイトに掲載しております。
サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-:タイトル情報/評価
タイトル | サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む- |
ブランド | 枕 |
公式ジャンル | AVG |
発売日 | 2023年2月24日 |
サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-の公式サイトはこちら。
修正パッチのDLページはこちら。
修正パッチの適用方法がわからない方はこちらの記事をご覧ください。
おすすめ度 | 4.0点/5点 (おすすめ!) |
こんな方におすすめ! | ・前作をプレイ済みで直哉たちの行く末を見届けたい方 ・前作の掘り下げに期待する方 ・長山香奈のことが好きな方 |
簡易評価 | 【魅力/長所】 ・ついに完結した物語 ・前作要素を深く掘り下げている ・システム、グラフィックが大幅に向上 【欠点/短所】 ・またしても攻略できない美術部員 ・一部のキャラが不遇な扱いを受けている |
こちらは私が実際に持っているモノ(通常版)になります。
概要
「サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-」は、枕2から2023年2月に発売されたエロゲです。
本作は2015年に発売された「サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-」の続編であり、
前作のその後を描いた物語となっています。
本作の見所としては、
- 直哉たちのその後の歩み
- 新ヒロインの本間心鈴
- 名前しか出てこなかった前作キャラの登場
などがありますね。
本作のネット上のコメント(Twitter、エロゲー批評空間より抜粋)を見てみると、
「サクラノ詩」の完結編として納得できる出来
エンタメとして普通に面白かった
長山香奈が大好き
と、高評価であることがうかがえます。
なぜ「サクラノ刻」は高く評価されているのか?
その理由となる本作の魅力を3つほど、以下に具体的に述べていきます。
魅力
ついに完結した物語
サクラノ刻はサクラノ詩から続く物語を綺麗に完結させています。
かなり綺麗に閉じられていたので、完走したときは心地よい読後感に包まれました。
終盤のクライマックスはエンタメ性が高くなっていてかなり盛り上がるので、読んでいてワクワクしたのも良かったです。
芸術という比較的地味な題材でここまで熱く盛り上げられるんだなと、素直に感心しました。
また、豊富に挿入されるCGのクオリティも高く、本作への没入度をより深めていました。
前作のサクラノ詩はテーマやメッセージ性を込めるために表現が難解になっていたので読みにくさを感じましたが、
サクラノ刻はその辺りの表現がマイルドになっていた印象で、読みやすかったです。
純粋に読み物として面白かったのも良かったかなと。
私は特に終盤の「長山香奈にスポットが当たる場面」がめっちゃ好きですね。
長山香奈関連の描写は100点満点をあげたいぐらい、めちゃめちゃ良かったです。
サクラノ刻は前作に比べてテーマ性やメッセージ性はやや薄れたような印象はありますが、
前作から続く複雑で長い物語をかなり理想的な形で閉じていますし、
勢いに乗せたクライマックスの展開も熱くて、面白かったです。
総じて、プレイして良かったと思えましたね。
前作で消化不良を覚えた方は、ぜひ本作を最後までプレイしてみてください。
豊富な前作の掘り下げ要素
サクラノ刻は、前作で明かされなかった要素が深く掘り下げられています。
具体的には、
- 鳥谷静流の登場及び掘り下げ
- 中村麗華が雪景鵲図花瓶に執着する理由
- 恩田寧と宮崎絵画学校の掘り下げ
- とある人物と関係の深い少女、本間心鈴の登場
- 夏目圭の過去の詳細
などですね。
前作で開示されていなかった部分も含めて、余すことなく描かれていたように感じました。
前作ではモンスターでしかなかった中村麗華のイメージが大分変わりましたね。
プレイしていくうちに徐々に印象が変わっていくキャラだったように思えます。
また、新登場となる“本間心鈴”もぽっと出の新キャラというわけではなく、
とあるキャラと繋がりの深い重要な人物となっていました。
前作で不明瞭だった部分を明らかにしていたのは素直に良かったですし、
新たなキャラクターの存在は文字通り新風を吹き込み、新鮮な気持ちでプレイできましたね。
結果として、サクラノ詩の世界をより広げることに成功していました。
本作をプレイすることでサクラノ詩の解像度が上がっていくような、
前作での謎や疑問を解消する続編であると言えますね。
グラフィックの向上・システム面の改善
サクラノ刻は前作と比べて、グラフィックが大幅に向上しています。
前作は解像度がHDまででしたが、本作はフルHDに進化。
グラフィックが綺麗になったのはもう単純に嬉しいですよね。
本作は芸術を扱っているために絵画のCGなどが多数出てくるので、
「見て、楽しむ」という観賞部分の重要度が高いです。
他の作品に比べてグラフィックが向上する恩恵は大きかったように思えました。
そしてシステム面も大幅に改善されています。
前作では90しかなかったセーブ枠が、本作では160とかなり増加していますし、
「バックログからのシーンジャンプ」「選択肢スキップ」なども実装され、
昨今のエロゲの水準に十分届くような、満足できるシステムに様変わりしていました。
ゲームエンジンがアルテミスエンジンに変更されたのがやはり大きいですね。
前作の古臭いUIはキレイ目でスッキリしたUIに進化していました。
ただ、アルテミスエンジンは概ね優秀なエンジンではあるのですが、
「ボイスの再生途中にメッセージウィンドウを消去すると、強制的にボイスカットされる」
という難点を抱えているのが玉に瑕ではあります。ここだけは惜しいところですね。
まあ本作はそんな欠点よりも上に挙げたような改善点の方が大きいので、
システム面に関しては素直に「良くなっている」と言って問題ありません。
システム面とグラフィックが改善されたおかげで、
サクラノ刻は前作よりも遥かにプレイしやすくなったと言えるでしょう。
以上3つが本作の魅力でした。
- 物語が読後感良く、綺麗に完結
- 前作要素を深く掘り下げている
- システム、グラフィックの進化
前作をプレイ済みの方には絶対にプレイしてほしい続編ですね。
欠点
評価の高い本作ではありますが、2つほど欠点があります。
弓張美術部員を攻略できない
本作では前作で攻略できなかった弓張美術部員がなんと……
また、攻略できません。
なぜここまで攻略させてくれないのか。これがわからない。
ちなみに以下の画像なんですけど、
これ、左の夏目藍以外は全員攻略できないんですよ……。信じられないですよね。
なんかFD的な作品の「サクラノ響」が企画されているようで、
それで攻略できる~みたいな話が出てきてるみたいですけど、
完結作であるサクラノ刻で攻略できないってことは、それはもう完全におまけってことですよね。
他の美術部員が100歩譲っておまけだったとしても、桜子までおまけ扱いされるのはちょっと納得がいかないといいますか。
前作で死んだ魚みたいな生気のない瞳で仕事していた直哉を元気づけたのは、他でもない彼女なんですよ。
そんな縁の下の力持ち的なポジションである桜子を本編外に追いやるというのはちょっと酷くないかと。
そもそも名前が「桜子」ですよ。これでルートが存在しないのは違和感しかありません。
なんかうだうだ述べましたけど、言いたいことは一つだけです。
私は桜子を攻略したいんです(本音)。
私は主人公が弱っているときに傍で支えてくれる女性というものにめっちゃ弱いんです。
前作で言えば藍もその点ではかなり魅力的でしたが、桜子も決して負けてはいなかったと思うんですよね。
本作を開始した時点で桜子を攻略できないのは事前情報でわかっていましたし、
結末を見るとルートが存在しないのも「まあ仕方ないのかな……」と思わなくもないですが、
それでもこの点に関しては少しモヤッとしてしまいましたね。
一部のキャラがかなり冷遇されている
サクラノ刻はキャラクターの扱いにかなり差があります。
長山香奈などは優遇されている反面、
一部のキャラの扱いが悪かったように思えました。
具体的に説明するのはシナリオの内容に触れてしまうので止めておきますが、
簡単に言うと、そのキャラは「とあるキャラの踏み台にされてしまっている」感じですね。
そのキャラが好きな方は結構残念に思ってしまうのではないかなと。
それが前作でのメイン級のキャラだけに余計に、って感じです。
以上2つが本作の欠点でした。
ただ、総合的に見てサクラノ刻は良質な続編に仕上がっているので、
前作がお好きな方は絶対にプレイするべき作品と言えます。
決め手に欠けていた方はぜひこの機会にプレイしちゃいましょう。
長山香奈が活躍するシーンは、かなり見入ってしまいますよ。
エッチシーン
本作のエッチシーンはあまり使えません。
エロを売りにしている作品ではないので実用性は微妙ですし、
シーン数自体もあまり豊富ではないですね。
まあでも、心鈴のエッチシーンはちょっとエッチだったかも。
声が夏和小さんというのが超強いですよね、心鈴は。
おすすめフェラシーン
「なんでいきなりおすすめのフェラシーンを紹介されるんだ?」と思いましたか?
私はフェラが好きだからです!
なので、私のブログではこの項目は必ず設置されます。
よろしくお願いします。
「心鈴の初めてのフェラ」
おっかなびっくり舐める心鈴たんかわゆす。
健気でとても可愛い子なんですよね。
ちなみにこのシーンは心鈴の表情差分に青ざめるやつがあって笑いました。
Q&Aコーナー
サクラノ刻をプレイするにあたって、出てきそうなご質問にお答えします。
サクラノ刻からプレイするのはアリ?
ナシです。
サクラノ刻はサクラノ詩の続編なので、
本作だけプレイしてもぶっちゃけ意味がわからないと思います。
前作のプレイが必須なので、気になる方は前作の「サクラノ詩」からプレイしましょう。
推奨攻略順1とかある?
ありません。
本作はⅢ章で誰から攻略するか選択できますが、どのキャラから攻略しても問題はありません。
お好きな順番でプレイしましょう!
続編や完全版は出てたりする?
サクラノシリーズの本編は刻で完結しましたが、
FD的な作品として「サクラノ響」が企画されているようです。
まだ正式な発表はないので確定ではありませんが、
桜子や奈津子などの美術部員を攻略できる作品になるとか。
桜子が攻略できるのであれば個人的には買うしかないですが、どうなるのでしょうか。
続報に注目していきたいと思います。また8年後とかは勘弁してください。
その他、何か気になることやご質問などあれば何でもお気軽にご相談下さい。
コメントお待ちしております。
※吹き出しアイコンは枕様の配布素材をご使用させていただきました。
サクラノ刻:総評
「サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-」は、
完結した読後感の良い物語や、前作の深い掘り下げなどが魅力のエロゲです。
- 前作をプレイ済みの方
- 前作の掘り下げに期待する方
- 長山香奈のことが好きな方
上記の方におすすめしたい作品となっています。
8年越しに発売された続編で綺麗に完結させたサクラノ刻は、
個人的には、かなり理想的な仕上がりになっていたんじゃないかなと。
桜子を攻略できないのは惜しいですが、
長山香奈が活躍する場面はそんな不満をかき消すほどの熱狂を与えてくれました。
終盤の盛り上がりは最高潮で、エンタメ性も高かったように思えます。
エピローグからタイトル画面に戻った際の仕掛けも良かったですね。
「あぁ、これで終わったんだな……」としみじみしてしまいました。
今からプレイするのはプレイ時間がかなりかかるので結構ハードルは高いですが、
エロゲをプレイするのであれば押さえておきたいタイトルかなと思います。
時間に余裕があるときにぜひプレイしてみてほしいですね。
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